物理の窓

素粒子は粒子であるか

1 素粒子は通常の粒子と似たものであるか
2 素粒子は一つ二つと数えることが出来る
3 素粒子のおのおのは自己同一性をもっていない
4 自己同一性をもたない「粒子」はあり得ないものではない
5 素粒子が空間のどの点にいるかということは定められる
6 素粒子のもつ運動量とエネルギーの値は定められる
7 素粒子はその位置と運動量とを二つ一緒には定められない
8 素粒子は運動の道筋をもつことは出来ない
9 電子や光子の状態はヴェクトル的な性質のものである
10 むすび

 
『量子力学と私』(朝永振一郎著 岩波文庫 緑152-1)を読んだ。もとより専門的な話になると分からないのであるが、 頭脳というものはある一定なレベルにあると、ほとんどゼロから一気に世界の最先端の分野で活躍できるものだと感心した。 湯川秀樹と朝永振一郎(京都大学の同窓)は、当時ヨーロッパで誕生しかけていた量子力学に、日本では誰も教えるものもなく、 教科書もない状態から、原論文を読み、試行錯誤しながら物理学の最先端の分野に入って一流の業績をあげたのである。 朝永氏の説明は懇切丁寧で素人にもよく分かる。二重スリットの実験を扱った「光子の裁判」も素晴らしいものであるが、 ここでは「素粒子は粒子であるか」を取り上げます。(管理人)
更新12月19日