第六章 哲学者たち
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若すぎると正しい判断ができない。年をとりすぎても同様である。
考えが足りない場合にも、考えすぎる場合にも頑固になり、夢中になる。
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自分の著作を書きたてに検討したのでは、まだそれに全くとらわれている。あまりあとからでは、もうそこにはいって行けない。
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遠すぎるところから、あるいは近すぎるところから見た絵の場合も同じである。そして真の場所は、不可分な一点しかない。
その他の点では、近すぎるか、遠すぎるか、高すぎるか、低すぎる。絵画の技術では、遠近法がその一点を指定する。だが、
真理や道徳においては、だれがそれを指定するのだろう。
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