第五章 正義と現象の理由
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現象の理由。
これは驚いた。錦のような服をまとい、七、八人の従僕を連れている男に私が敬意を表するのが
いけないと言うのである。いやはや。もし私がその男に敬礼しなかったならば、彼は、私を鐙革(あぶみがわ)
で鞭打たせるだろう。あの服装は力なのである。それはりっぱな馬具をつけた馬が他の馬に対するのと全く
同じことである。モンテーニュが、そこにどういう違いがあるかを認めず、人がそこに違いを見つける
のに驚き、その理由を尋ねているのは滑稽である。「実際、どこからこういうことが、(1)・・・」と、彼は言う。
(1)モンテーニュ『エセー』1の42。
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