第三章 賭の必要性について
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神が無限であり、しかも部分を持たないということは不可能だと思うのか。—そうだ。—
それなら、無限であり、しかも不可分のものを一つ君に見せてあげよう。それは、無限の速度であらゆる
ところを運動している一つの点である。
なぜならそれは、あらゆる場所において一つであり、おのおのの場所において全体であるからである。
君にとって以前は不可能と思われていた、この自然の事実が、君の知らない事実がまだほかにもありうる
ということを、君に知らせるといい。君が今までに習ったことから、君にはもう知るべきことが何も残っていない
のだなどどいう結論を引き出してはいけない。自分には知るべきことが無限に残っているという結論を、
引き出さなければいけないのだ。
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