(1)ここにあげられた四組の二律背反では、「神がある」を始めとして、それぞれ第一の 定立のほうは理性または理論にとっての不可解であり、「神がない」を始めとするそれぞれ第二の反定立 のほうは事実上の不可解である。カントのアンティノミーの場合と異なり、パスカルの場合は、断章430で も明らかにされるように、理性上の不可解は、事実上の不可解の前に譲らなければならないのである。