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馬の爪い尽くす極み船舳のい泊つるまでに―祝詞「新年祭」の「馬の爪至り留まる限り」「船の舳の至り留まる極み」による。国土の隅々までを具体的に示した語。 今の現に―今に至るまで。 万調―調(ツキ)は各国から朝廷に税として納める特産品。ここは稲を含めた献上物の総称。 つかさ―いろいろある物のうち最高のもの代表的なもの、産物をいう。 天つ水―雨。 たをり―峰続きのなかで低くなっている所。鞍部。 雨も賜はね―ネは希求の終助詞。希求表現にはモを伴うことが多い。 |
反歌
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この見ゆる 雲ほびこりて との曇り 雨も降らぬか 右の二首、六月一日の 雨乞いの歌。雨が三週間以上降らなかったので詠んだもの。この歌からただちに源実朝の次の歌を思い出した。
干ばつの心配と、雨が降りすぎる心配と、天皇の臣下と自ら統括する将軍と、状況は少し違うのであるが、歌の調子、その勢いの違いは時代精神の違いであろうか。天皇の臣たる貴族はたおやかでゆったりしており、、武家の将軍は直接的で若々しい。家持は祝詞から言葉を借用する余裕があるが、実朝はなりふりかまわず八大竜王に祈っている。
自分の一身にかけて感じる心が時代精神の若さであろうか。
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心足らひに―思う存分に。心が満足するまで。 |