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この歌は万葉集の中でも、古い時代のものと推定されている。そのせいか、いささかも飾ることなく、素朴で率直な趣があるのです。 |
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ありかつましじ―アリはこのままの状態でいる、生きている、の意。カツは耐える意の下二段動詞。マシジは中古語マジの古形、打消し推量を表す助動詞。「生きていられそうにありません」。 |
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君待つと やはりこの歌は、幾多の歌の中にあって、光っているのである。品がいいのです。それにしても、額田王という女性は、よほど魅力的で本人も多感であったようだ。巻第一では、天智天皇が催す狩のときに、大海人皇子(後の天武天皇)と野で会い、ここでは天智天皇を思っている。つまり兄と弟、二人の天皇を愛した。
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448 近江天皇―天智天皇のこと。 |
伊勢の海の磯もとどろに寄する波恐き人に恋渡るかも(600 笠郎女)
おほうみの磯もとどろに寄する波われて砕けて裂けて散るかも(源実朝)
月読の光に来ませあしひきの山きへなりて遠くならなくに(670 湯原王)
月読みの光を待ちて帰りませ山路は栗のいがの多きに(良寛)