世の終わり

横浜駅西口の立ち飲みやで
今日も飲んでいる
この世の終わりがあるような気分で

仕事帰りの若い人たちが
仲間と飲んでいる
あの人たちは微塵も思わないだろう
世の終わりが来ることを

老いたるものが
ひとりで飲んでいるのは見苦しいだろうが
おれだって生きているんだ

早く帰って寝(やす)むのが年寄りか
街でぐずぐず酒を飲んでいれば
少なくともさびしさはまぎれる

世の終わりは
遅れているが 
やがては来るだろう

平成二十五年十月
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