その人の

横浜駅西口の往来の中で
ひと足毎に
身体を大きくよじって歩く人にすれ違う

心なし
微笑みながら
暮れの雑踏の中を
ひとり身体をよじって歩いて行った

どうしてあの人は他人ひとと同じように生まれてこなかったんだろう
どうして自分ひとりが
世の中のこんなにおおぜいの他人ひとと同じように歩けないんだろう
と今も思うのであろうか

その人の
隔絶した孤独を思う

古今東西の哲学を以ってしても
説明できない・・・・
だろう

二00五年十二月記
前頁 詩篇トップ 次頁 HOME