第七章 道徳と教義
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人が私に執着するのは、たとい喜んで心からしたにしても、不当なことである。私は、そういう願いを起こした人々を、裏切る
ことになるであろう。なぜなら、私は何びとの目的でもなく、彼らを満足させる何ものも持たないからである。私はやがて死ぬべきもの
ではないか。そうしたら、彼らの執着の対象も死んでしまうだろう。だから、虚偽を信じさせるということは、たとい私がやさしく
人々を説得し、人々も喜んでそれを信じ、私もそれに喜びを感じたにしても、罪であるように、自分を愛させるのは罪である。もし
私が人々をひきつけ、私に執着させているとしたら、私は嘘を信じようとしている人々に向かって、それが私にどんな利益をもたらそう
とも、決してそれを信じてはならないと忠告すべきであるように、彼らにも私に執着してはならないと忠告すべきである。なぜなら、
彼らは神を喜ばすため、また神を求めるために、その生涯と考慮とを費やすべきものだからである。
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