第ニ章 神なき人間の惨めさ
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人間は明らかに考えるために作られている。それが彼のすべての尊厳、彼のすべての価値である。
そして彼のすべての義務は、正しく考えることである。ところで、考えの順序は、自分から、また自分の
創造主と自分の目的から始めることである。
ところが、世間は何を考えているのだろう。決してそういうことではない。そうではなく、踊ること、
リュートをひくこと、歌うこと、詩をつくること、環取り遊び(1)
をすること等々、戦うこと、王になることを考えている。王であること、そして人間であることが
何であるかは考えずに。
(1)馬を走らせ、槍の先で環を取る遊び。
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