『パンセ』を読む
第ニ章 神なき人間の惨めさ
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[自然は・・・ない。
自然はわれわれをちょうどうまく真ん中においたので、われわれが
秤 の一方を変えると、
他方も変えることになる。ジュ・フゾン、ゾーア・トレケイ(1)。
このことからして私は、われわれの頭のなかには、その一方にさわると、その反対のほうにも
さわるように仕組まれた発条 がある
のではないかと思われる。]
(1)ジュ・フゾンは、フランスの方言でジュ（私）という単数の主語と、 フゾン（為す）という複数の動詞が結びついている例であり、ゾーア・トレケイは、ギリシャ語で ゾーア（動物）という複数名詞が、トレケイ（走る）という単数形の動詞の主語になっている例なので、 ちょうど逆の変則関係になっている。
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