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季節は秋。残暑の折、庭前に篝火をたかせ、源氏は釣り殿に涼んでいる。夕霧の処に頭中将の子息、柏木と弟の弁少将が来て、集っている。三人と源氏が楽を奏で始める。玉鬘は御簾の奥で聞いている。
源氏の恋心も危険なほどではないと、玉鬘は馴れてきて、一線を越えない程度で、相手をしている。
琴を枕辺において、そろって添い寝するときもあった。それ以上無体なことは起きなかった。こんな男女の仲もあるのかと思う。
篝火をたいて源氏と玉鬘の相聞。
篝火にたちそふ恋の煙こそ世には絶えせぬ炎なりけれ (源氏) (27.2)
歌意 篝火に立ち上る煙こそ消えることのないわたしの恋の思いです
行方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば (玉鬘) (27.2)
歌意 立ちのぼった空で消してください あなたの思いが篝火の煙なら
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