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隆盛を極める源氏の生活ぶりが続く。
今をときめく源氏の六条院では、春の盛りに、龍頭鷁首の舟を作り、池に浮かべて舟楽を催すなど、楽しみを極めていた。
折から、秋好中宮が里帰りしていて、その女房たちを舟に乗せ、紫の上の女房たちを釣り殿に集め、かじ取り童はみなみづら結いにして、すべて唐風に仕立てて、他では盛りが過ぎた桜もここでは満開で、池の水に映る山吹が咲きこぼれ、水鳥がつがいで遊び、このようにして六条院では日を暮らした。
翌日は中宮の季の御読経の初日であった。六条院に集まった人々は、帰宅せず、休み処をかりて衣裳を改めて、そのまま参加した。
紫の上も供花を鳥・蝶の童女に歌を添えて献上させた。ここで紫の上と中宮で歌の相聞があり、去年、春秋の優劣を中宮と競ったが、この歌で春の優位が決まったようだ。
一方、玉鬘 の処に、男たちから文が多数来るようになった。中でも熱心だったのは、玉鬘が父の子と知らない内大臣の子息の柏木、北の方と不仲な状態にある髭黒の右大臣、今は独身だが召人をたくさんかかえている兵部卿の宮の三人だった。
源氏は恋文の扱いを教示し、返書について教えているうち、親代わりどころか、源氏自身の好き心が出て、玉鬘に添い臥して、恋心を打ち明ける。
玉鬘は、他に頼る人もなく、困惑し苦悩と不安の日々送るのだった。
花園の胡蝶をさへや下草に秋待つ虫はうとく見るらむ (紫の上) (24.5)
歌意 春に美しく舞う胡蝶を見ても、下草で秋を待つ 松虫は春はお嫌いというのでしょうか
胡蝶にも誘はれなまし心ありて八重山吹を隔てざりせば (秋好む中宮)(24.5)期待した詠みぶりではない、と地の文にあり。
歌意 胡蝶に誘われてそちらに行きたかった山吹の垣根がございませんでしたら
※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。
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