五月の風

ちょっとおしゃれをして
街をゆく

生きていれば
順ちゃんもお母さんも
思わずあきれた顔をするだろう

五月の風に吹かれて
街を歩けば
寂しさがぼうぼうとわいてくる

今は楽しげに
行き交う人たちも
生きていれば
よるべなく 孤立して 立つ
(おのれ)が見えるだろう

人間は
寂しさだけが本物だ

平成二十七年五月
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