真実というものは

わたしは
路傍の石 
あるいは
道端の木立
じっとそこにいて
空しかった日々をたえている

人びとはそばを通り過ぎる
気に留めるものは誰もいない

真実というものはあると思っていた
それを得れば
偏見や錯誤や狂信から自由になり
世に生きて
迷わず正しく歩いていけると思っていた

ああ 青春の青い思いよ
落日の日々に
いまだ青白く燃える思いよ

平成二十五年九月
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