美幌峠

隠れていた大いなる世界よ

千古の時のなかの空よ うみよ 島よ 森林もり
落ち込んでゆく笹原がざわめき
呼びかえしている

悲しみは風に散り
人は此処に来て
思いを忘れる

原始のなかの
美しいものたちよ
いつかまた人の世の現前から姿を隠し
再びは
眠りにつけ

一九七一年記
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