春と少年

雲雀上がり
青草は郊外の川辺に萌え出でる

水音高く
岡辺の土はぬくもり
陽の光
霞のごとく天地に満ちている

はじめての季節とき

すでにして少年は
廻り来る
帰り来る
予感に魅入られている

川面は速く
空路は果てなく

一九六五年初稿
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