第六章 哲学者たち
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人間はひとくきの葦(あし)にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦
である。彼をおしつぶすために、宇宙全体が武装するには及ばない。蒸気や一適の水でも彼を殺すのに
十分である。だが、たとい宇宙が彼をおしつぶしても、人間は彼を殺すものよりも尊いだろう。なぜなら、
彼は自分が死ぬことと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。
だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある。われわれはそこから立ち上がらなければ
ならないのであって、われわれが満たすことのできない空間や時間からではない。だから、よく考えることを
努めよう。ここに道徳の原理がある。
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