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今上帝の女二宮の母藤壺女御は、宮が十四歳のとき、裳着の支度をするうちに亡くなった。宮は帝の寵愛が厚く、薫が帝と碁を打っている時、帝は、女二の宮を薫に許す内示をするのだった。
匂宮は、宇治にいる中君を京の二条の邸に移した。住まいが近くなったので、薫は時々は訪問し、昔話にふけるが、大君が中君を薫へと思っていたのに、何故自分のものにしなかったか、薫は後悔するのだった。
薫は大君が恋しく、宇治に、大君の人形を作り御堂を建てる考えを中君に漏らす。中君は、ふと思い出して、大君にとてもよく似た姫がいることを薫に告げる。
夕霧は六君に匂宮を迎えるべく、強引にことをすすめるのだった。匂宮は、中君が気の毒で、口に出して言えないうちにその日がきた。
六君は、思ったより、かわいらしく穏やかで、匂宮は気に入るのだった。匂宮は、六条の院に北の方の六の君の処に通い、また中君の処にも通わなければならない。
中君に男の子が生まれた。
薫は、宇治へ行き、弁尼と昔話をし、宇治の山荘を山寺に移築して御堂を建てる考えを伝える。
移築の様子を見ようと、薫は宇治へ寄ったとき、長谷寺の初瀬詣での帰りに立ち寄ったある姫君の一行に遭遇した。その姫君を垣間見た薫は、大君に似たその気配に強く引き付けられた。浮舟であった。
薫は、弁尼と昔話をして、歌を唱和す。
やどりきと思ひいでずは木のもとの旅寝もいかにさびしからまし (薫)(49.44)
歌意 昔ここに泊まった思い出がなかったら 深山木のしたの旅寝はどんなに寂しかろう
荒れ果つる朽木のもとをやどりきと思ひおきけるほどの悲しさ (弁尼)(49.44)
歌意 荒れ果てた朽木のもとに昔泊まったことを覚えていてくださり亡き姫君を思い出してとても悲しいです。
※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。
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