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八宮の一周忌に薫は宇治を訪問した。姫君たちは経の飾りの糸を編んでいた。総角のその結びの糸に寄せて、薫は大君への思いを歌に詠む。そこで大君に恋慕の情を切々と訴えるが、大君は薫の後見としてのこれまでの気配りに感謝しているが、薫の慕情には応じない。大君自身は結婚する気はなく、中の君を薫にと考えていた。
ある夜、薫は大君の寝所に迫るが、大君は中の君と寝所を入れ替え、自分は隠れて、中の君と薫が実事なく一夜を明かすこともあった。
秋の暮れ時雨れるころ、宮が気軽に宇治に出掛けることもできず、物思いに沈んでいた頃、薫がさそって、二人でひとつ車で出かけた。道々、宮は中の君への恋慕の情を薫に語るのだった。
弁尼は薫と思って、匂宮をは案内してしまい、匂宮を中の君の処へ入れた。二人は契ることになった。一方薫は大君に恋心を訴えるが、大君は応じない。二人は実事なく朝を迎える。
第二夜第三夜と匂宮は通い、第三夜には薫は祝いの品を用意するのだった。
そうこうするうち、大君は心労が重なったのだろう、病を得て、あっけなく亡くなった。
薫は深く悲しんだ。
一方匂宮は、夕霧の娘の六の君との縁談を勧められていた。宮は気乗りがせず、中の君を京へ迎えることを考えていた。母の明石中宮は、匂宮に宇治に女がいることを知り、一の宮付の女房に迎えたらと勧めた。
薫は八宮の一周忌で宇治へ行く。姫君たちは八宮の法要の準備で総角を結ったりしている。薫と大君の相聞。
あげまきに長き契りを結びこめ同じ所に縒りも会はなむ (薫)(47.2)
歌意 あげまきのように長い契りを結んで君と一緒になりたいものです
ぬきもあへずもろき涙の玉の緒に長き契りをいかが結ばむ (大君)(47.2)
歌意 涙にくれるわたしの玉の緒ですこのもろい命にどうして長い契りが結べましょう
※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。
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