源氏物語  紅梅 あらすじ 章立て 登場人物

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紅梅 あらすじ

匂宮と紅梅大納言家の物語

致仕の太政大臣家では、父と柏木亡きあと、次男の按察使大納言が跡を継いだ。北の方は二人いて亡くなった北の方との間に、娘が二人いた。大君と中君と呼ばれていた。大君は東宮の妃として宮中に上がり麗敬殿に住んでいた。大納言は中君を匂宮にと心ざしている。
一方、北の方亡きあと、大納言は、蛍兵部卿の宮の未亡人真木柱に通い、今は、晴れて大納言の北の方になった。大納言と真木柱の間には童殿上している子が一人いて、若君と呼ばれている。
真木柱には、故蛍兵部卿との間に、琵琶の巧みな宮の御方という連れ子があった。異母姉妹は分け隔てなく習いものも一緒にして育てられた。宮の方は控えめな性格で、結婚など考えていなかった。
大納言は庭に美しく咲く紅梅を摘み、匂宮に歌をおくり、宮の気をひこうとするが、宮は気乗りがしない。巻名はこの場面による。

紅梅 章立て

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43.1 按察使大納言家の家族
 そのころ、按察使大納言と聞こゆるは、故致仕の大臣の二郎なり。
43.2 按察使大納言家の三姫君
 君たち、同じほどに、すぎすぎおとなびたまひぬれば、御裳など着せたてまつりたまふ。
43.3 宮の御方の魅力
 殿は、つれづれなる心地して、西の御方は、一つに慣らひたまひて、いとさうざうしくながめたまふ。東の姫君も、うとうとしくかたみにもてなしたまはで、夜々は一所に大殿籠もり、よろづの御こと習ひ、はかなき御遊びわざをも、こなたを師のやうに思ひきこえてぞ、誰れも習ひ遊びたまひける。
43.4 按察使大納言の音楽談義
 「月ごろ、何となくもの騒がしきほどに、御琴の音をだにうけたまはらで久しうなりはべりにけり。
43.5 按察使大納言、匂宮に和歌を贈る
 若君、内裏へ参らむと、宿直姿にて参りたまへる、わざとうるはしきみづらよりも、いとをかしく見えて、いみじううつくしと思したり。麗景殿れいけいでんに、御ことづけ聞こえたまふ。
43.6 匂宮、若君と語る
中宮の上の御局より、御宿直所に出でたまふほどなり。
43.7 匂宮、宮の御方を思う
 「今宵は宿直なめり。やがてこなたにを」 と、召し籠めつれば、春宮にもえ参らず、花も恥づかしく思ひぬべく香ばしくて、気近く臥せたまへるを、若き心地には、たぐひなくうれしくなつかしう思ひきこゆ。
43.8 按察使大納言と匂宮、和歌を贈答
これは、昨日の御返りなれば見せたてまつる。
43.9 匂宮、宮の御方に執心
 宮の御方は、もの思し知るほどにねびまさりたまへれば、何ごとも見知り、聞きとどめたまはぬにはあらねど、「 人に見え、世づきたらむありさまは、さらに」と思し離れたり。

紅梅 登場人物

名称よみかた役柄と他の呼称
匂宮におうのみや 呼称---匂兵部卿・兵部卿宮・当代の三の宮、今上帝の第三親王
紅梅大納言こうばいのだいなごん 呼称---按察使大納言・大納言・大納言殿・大納言の君、致仕大臣の二男、故柏木の弟
大君おおいきみ 呼称---麗景殿・春宮の御方、紅梅大納言の長女
中君,なかのきみ 呼称---西の御方、紅梅大納言の二女
真木柱まきばしら 呼称---北の方・母北の方・母上・上・君、鬚黒大将の娘、蛍兵部卿宮の北の方
宮の御方みやのおおんかた 呼称---東の姫君・女君・東・君、蛍宮と真木柱の娘
夕霧ゆうぎり 呼称---右大臣・大臣、源氏の長男
明石の中宮あかしのちゅうぐう呼称---中宮、今上帝の后
今上帝きんじょうてい 呼称---内裏、朱雀院の御子
東宮とうぐう 呼称---春宮・宮、今上帝の第一親王
大君おおいきみ 呼称---右大殿の女御

※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。

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源氏物語  紅梅 あらすじ 章立て 登場人物

公開日2020年8月3日/改定 2023年8月11日