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源氏は准太上天皇になり、その日常が淡々と語られる。
朱雀院は病気がよくならず、出家を希望している。しかし皇女たちを見捨てて出家するわけにもゆかず、特に可愛がっている女三の宮の後見を探していた。しかるべき人を婿にと心を砕く。夕霧も候補にあがったが、結婚したばかりで除外され、源氏に白羽の矢が当たる。源氏は当初辞退したが、朱雀院を見舞い、懇切に頼まれて、藤壺中宮や紫の上の血筋にもつながることでもあり、結局女三宮の後見を承諾する。
年が明けて、玉鬘は源氏の四十の賀を祝い、若菜を献じた。巻名はこの時の歌の言葉による。この年は、源氏の四十の賀の祝いが次々と続き、紫の上が嵯峨野の御堂によせて祝い、秋好む中宮が奈良・京の寺々に祈祷を頼んで祝い、冷泉帝が、夕霧に主催させて四十の賀を祝い、それぞれそのあとの宴や管弦の遊びが続いた。
二月十日過ぎ女三の宮は六条院に輿入する。紫の上は悲しみを抑え夫の婚儀の支度を務める。女三の宮はただ若いだけの姫君であり、源氏の相手をするには幼すぎて、源氏はいたく失望する。
明石の女御は待望の男子を出産、明石の入道は、長文の文を送り、その中で自分が昔夢見た宿願が実現したことを語り、それ故に、山深く入ると伝える。入道は、明石女御が生まれた年に見た夢をありありと語るのだった。
朱雀院の出家を後追いしようとした朧月夜は、院に思いとどめられる。源氏は朧月夜を訪問して、昔のよりを戻した。
一方、柏木は、当初から女三の宮を望んでいたが、六条院に招かれ蹴鞠の遊びをやっていた時、猫が逃げたはずみに御簾をひっかけて、奥の女三の宮の姿をかいま見てしまう。それから悶々として、この恋が叶えられないかと心を乱していた。
小松原末の齢に引かれてや野辺の若菜も年を摘むべき (源氏)(34.28)
歌意 幼子に引かれて野辺の若菜も年を重ねるのだろう
※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。
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