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大宮が亡くなり、孫にあたる夕霧や玉鬘は喪に服している。
玉鬘は内侍の職が決まり、十月から出仕の予定になっている。玉鬘は色々と悩んでいた。秋好む中宮や弘徽殿の女御と、帝寵を競うようなことになったら、どうしよう。様々な人が玉鬘に文を寄せてくるが玉鬘はほとんど見ず、女房たちが読み上げるのを聞いているだけである。蛍兵部卿の宮と髭黒の大臣が玉鬘に熱心に求愛している。
柏木は腹違いの妹になるとわかって、身を引いた。
夕霧も血のつながりがないと知ると、心を寄せるようになる。源氏の使いで、内裏からの要件を伝えに玉鬘の処に行ったとき、恋心を伝える。その時の歌のやりとりが巻名となっている。
そのなかで、玉鬘は蛍兵部卿へは返事を書いたりしている。髭黒は相変わらず熱心に言い寄っている。
藤袴は欄の古名です。
血筋がつながってないと知った夕霧は、源氏の使いで玉鬘の処に行くと、藤袴を御簾の下からさし入れて、恋心を伝える。そのときの相聞。
同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも (夕霧)(30.4)
歌意 同じ野の紫のゆかりでしおれている藤袴ですほんのひと言でもやさしい言葉をかけてください
尋ぬるにはるけき野辺の露ならば薄紫やかことならまし (玉鬘)(30.4)
歌意 尋ねてもはるかに広い野辺の露であるならば薄紫のゆかりもほんの口実でしょう
(註) 藤袴は欄の古名です。
※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。
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