源氏物語  藤袴 あらすじ 章立て 登場人物

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藤袴 あらすじ

源氏 36~37歳 太政大臣

 大宮が亡くなり、孫にあたる夕霧や玉鬘は喪に服している。
 玉鬘は内侍ないしの職が決まり、十月から出仕の予定になっている。玉鬘は色々と悩んでいた。秋好む中宮や弘徽殿の女御と、帝寵を競うようなことになったら、どうしよう。様々な人が玉鬘に文を寄せてくるが玉鬘はほとんど見ず、女房たちが読み上げるのを聞いているだけである。蛍兵部卿の宮と髭黒の大臣が玉鬘に熱心に求愛している。
柏木は腹違いの妹になるとわかって、身を引いた。
夕霧も血のつながりがないと知ると、心を寄せるようになる。源氏の使いで、内裏からの要件を伝えに玉鬘の処に行ったとき、恋心を伝える。その時の歌のやりとりが巻名となっている。
そのなかで、玉鬘は蛍兵部卿へは返事を書いたりしている。髭黒は相変わらず熱心に言い寄っている。 藤袴はらんの古名です。

巻名の由来

血筋がつながってないと知った夕霧は、源氏の使いで玉鬘の処に行くと、藤袴を御簾の下からさし入れて、恋心を伝える。そのときの相聞。

同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも (夕霧)(30.4)
歌意 同じ野の紫のゆかりでしおれている藤袴ですほんのひと言でもやさしい言葉をかけてください
尋ぬるにはるけき野辺の露ならば薄紫やかことならまし (玉鬘)(30.4)
歌意 尋ねてもはるかに広い野辺の露であるならば薄紫のゆかりもほんの口実でしょう
  (註) 藤袴はらんの古名です。

藤袴 章立て

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30.1 玉鬘、内侍出仕前の不安
 †尚侍ないしのかみの御宮仕へのことを、誰れも誰れもそそのかしたまふも、いかならむ、・・・。
30.2 夕霧、源氏の使者として玉鬘を訪問
 薄き鈍色の御衣、なつかしきほどにやつれて、例に変はりたる色あひにしも、・・・。
30.3 夕霧、玉鬘に言い寄る
 そら消息をつきづきしくとり続けて、こまやかに聞こえたまふ。主上の御けしきのただならぬ筋を、さる御心したまへ、などやうの筋なり。
30.4 夕霧、玉鬘と和歌を詠み交す
 かかるついでにとや思ひ寄りけむ、蘭の花のいとおもしろきを持たまへりけるを、御簾のつまよりさし入れて、 ・・・。
30.5 夕霧、源氏に復命
 「なかなかにもうち出でてけるかな」と、口惜しきにつけても、かの、今すこし身にしみておぼえし御けはひを、・・・。
30.6 源氏の考え方
 「かたしや。
30.7 玉鬘の出仕を十月と決定
 「うちうちにも、やむごとなきこれかれ、年ごろを経てものしたまへば、えその筋の人数にはものしたまはで、・・・。
30.8 柏木、内大臣の使者として玉鬘を訪問
 まことの御はらからの君たちは、え寄り来ず、「宮仕へのほどの御後見を」と、おのおの心もとなくぞ思ひける。
30.9 柏木、玉鬘と和歌を詠み交す
 「参りたまはむほどの案内、詳しきさまもえ聞かぬを、うちうちにのたまはむなむよからむ。
30.10 鬚黒大将、熱心に言い寄る
 大将は、この中将は同じ右の次将なれば、常に呼び取りつつ、ねむごろに語らひ、大臣にも申させたまひけり。
30.11 九月、多数の恋文が集まる
 九月にもなりぬ。初霜むすぼほれ、艶なる朝に、例の、とりどりなる御後見どもの、引きそばみつつ持て参る御文どもを、・・・。

藤袴 登場人物

※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。

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源氏物語  藤袴 あらすじ 章立て 登場人物

公開日2019年10月13日/ 改定2023年5月12日