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夏の猛暑の日、源氏は釣り殿に出て涼んでいる。夕霧や右大臣の子らが集まり、殿上人たちも鴨川の鮎などを持ってやってくる。
夕暮れになっても誰も帰らない。源氏が玉鬘のいる西の方へ行くと、皆ついてくる、一目噂の姫を見たいのだ。
雑談で、最近話題になっている右大臣が引き取った近江の君という娘の話になる。柏木が近江の田舎で父内大臣の子だという娘を見つけたのだ。人々は近江の君の破天荒な振舞いに、あきれ、扱いかねていた。内大臣も手を焼いて、弘徽殿女御の里帰りの間、女御に預けて、しつけてもらおうと思っていた。
源氏は玉鬘に和琴を教えていた。それも玉鬘に近づく口実になった。
源氏は相変わらず玉鬘への恋慕が止まず、折々に玉鬘を訪れていた。しかし、源氏は自制している。
内大臣は雲居の雁と夕霧の仲を認めようとも思うが、夕霧が折れてきそうにないので、自分からは言い出せないでいる。意地の張り合いになっている。
常夏は「なでしこ」の古名です。
源氏と養女として引き取った玉鬘の相聞。
撫子のとこなつかしき色を見ばもとの垣根を人や尋ねむ (源氏) (26.5)
歌意 なでしこのような美しいあなたを見たらきっと母上を尋ねたくなるでしょう
山賤の垣ほに生ひし撫子のもとの根ざしを誰れか尋ねむ (玉鬘) (26.5)
歌意 山賤の垣根に生いた撫子のその母のことなど誰が尋ねてくれましょうか
(註)常夏は「なでしこ」の古名です。
※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。
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