源氏物語  紅葉賀 あらすじ 章立て 登場人物

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 紅葉賀 あらすじ

源氏 18~19歳 参議兼近衛中将

 桐壷院の朱雀院への行幸が行われる。その席で、源氏は頭中将と二人で青海波を舞うことになる。行幸に行けない藤壺の為に、帝は事前に宮中で試楽(予行演習)をさせることになった。二人並ぶと、

源氏中将は、青海波せいがいはをぞ舞ひたまひける。片手には大殿の頭中将。容貌かたち、用意、人にはことなるを、立ち並びては、なほ花のかたはらの深山木みやまぎなり。
(源氏は、青海波を舞った。相方は、左大臣家の頭中将。顔立ち所作など、人にぬきんでているが、源氏に立ち並んでは、花の傍らの木立だった。)
と描写される。源氏の謡いや舞いはあまりにすばらしく、帝は心配になり、わざわいが源氏に及ばないように寺々に祈祷をさせる程であった。
 翌年、藤壺は男子を産む。源氏にそっくりの子であったので、藤壺は心配したが、そのことに気がついたものはいなかった。
 葵の上は、気位が高く、気軽にうちとけないので、夫婦仲はしっくりいっていない。それで源氏はつい左大臣邸には足が遠のくのであった。紫の上を二条院に迎えたと聞いて、葵の上は機嫌が悪い。源氏は、いずれは葵の上もわかってくれると辛抱強く思うのだった。
 一方、源典侍という好色な年配の典侍がいて、源氏は高齢好色に興味を持ち、言葉をかけると典侍は周波をしつこく送ってくる。源氏はほんの遊びで、夜を共にするが、そこへ頭中将がきて、大騒ぎになる一幕もあった。
 藤壺は后となり中宮になる。その子は春宮(のちの冷泉帝)となった。

巻名の由来

朱雀院への行幸の際、紅葉賀が行われた。巻名「紅葉賀」は本文中には見えないが、次の花宴の巻で作者自らこの朱雀院の行幸を「御紅葉の賀」と呼んでいる。巻名となる歌なし

紅葉賀 章立て

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7.1 御前の試楽
朱雀院の行幸は、神無月の十日あまりなり。
7. 2 試楽の翌日、源氏藤壺と和歌を贈答
つとめて、中将君、 「いかに御覧じけむ。世に知らぬ乱り心地ながらこそ。
7. 3 十月十余日、朱雀院へ行幸
行幸には、親王たちなど、世に残る人なく仕うまつりたまへり。
7. 4 葵の上、源氏の態度を不快に思う
宮は、そのころまかでたまひぬれば、例の、隙もやとうかがひありきたまふをことにて、大殿には騒がれたまふ。
7. 5 紫の君、源氏を慕う
幼き人は、見ついたまふままに、いとよき心ざま、容貌にて、何心もなくむつれまとはしきこえたまふ。
7. 6 藤壺の三条宮邸に見舞う
藤壺のまかでたまへる三条の宮に、御ありさまもゆかしうて、参りたまへれば、命婦、中納言の君、中務などやうの人びと対面したり。
7. 7 故祖母君の服喪明ける
少納言は、「おぼえずをかしき世を見るかな。
7. 8 新年を迎える
男君は、朝拝に参りたまふとて、さしのぞきたまへり。
7. 9 左大臣邸に赴く
内裏より大殿にまかでたまへれば、例のうるはしうよそほしき御さまにて、心うつくしき御けしきもなく、・・・。
7.10 二月十余日、藤壺に皇子誕生
参座しにとても、あまた所も歩きたまはず、内裏、春宮とうぐう、一院いちのいんばかり、さては、藤壺の三条の宮にぞ参りたまへる。
7.11 藤壺、皇子を伴って四月に宮中に戻る
四月に内裏へ参りたまふ。ほどよりは大きにおよすけたまひて、やうやう起き返りなどしたまふ。
7.12 源氏、紫の君に心を慰める
つくづくと臥したるにも、やるかたなき心地すれば、例の、慰めには西の対にぞ渡りたまふ。
7.13 源典侍の風評
帝の御年、ねびさせたまひぬれど、かうやうの方、え過ぐさせたまはず、・・・。
7.14 源氏、源典侍と和歌を詠み交わす
主上うえの御梳櫛みけずりぐしにさぶらひけるを、果てにければ、主上は御袿みうちきの人召して出でさせたまひぬるほどに、・・・。
7.15 温明殿付近で密会中、頭中将に発見され脅される
いたう忍ぶれば、源氏の君はえ知りたまはず。
7.16 翌日、源氏と頭中将と宮中で応酬しあう
君は、「いと口惜しく見つけられぬること」と思ひ、臥したまへり。
7.17 七月に藤壺女御、中宮に立つ
七月にぞ后ゐたまふめりし。源氏の君、宰相になりたまひぬ。

紅葉賀 登場人物

  • 光る源氏  ひかるげんじ  十八歳から十九歳 参議兼近衛中将 ····· (呼称)源氏中将・中将の君・源氏の君・宰相の君・男君
  • 頭中将  とうのちゅうじょう  葵の上の兄 ····· (呼称)頭中将・中将・頭の君
  • 桐壺帝  きりつぼのみかど  光る源氏の父 ····· (呼称)帝・主上うえ内裏うち
  • 弘徽殿女御  こきでんのにょうご  桐壺帝の女御、東宮の母 ····· (呼称)春宮の女御・弘徽殿・女御。
  • 藤壺の宮  ふじつぼのみや  桐壺帝の后、光る源氏の継母 ····· (呼称)藤壺・宮・母宮
  • 葵の上  あおいのうえ  光る源氏の正妻 ····· (呼称)殿・妹君・姫君 
  • 紫の上  むらさきのうえ  兵部卿宮の娘、藤壺宮の姪 ····· (呼称)若草・姫君・女君 
  • 源典侍  げんないしのすけ  好色な老女 ····· (呼称)典侍・内侍・女。

※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。

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源氏物語  紅葉賀 あらすじ 章立て 登場人物

公開日2017年8月17日/ 改定2023年1月27日