今月の言葉抄 はじめに

街を歩きながら考えた。

個人サイトを立ち上げるにあたって、週に一度あるいは少なくとも月に一度は更新できるようにするには、どんな形式のものがあるだろうか。自分のペースでゆっくりできて、なおかつ継続して興味の持てる方法はないだろうか。

そこで思いついたのが、「今月の言葉抄」である。日々読んだり聞いたりした言葉のなかで、心に残ったもの、本なら線を引きたくなる章句をここに引用することにした。賢い言葉、新しい知見、基本的な事柄、状況の的確な表現、あるいは考える示唆となる言葉なども、書き止められなければ時間とともに忘れてしまう。

日頃読んだもののなかから、できるだけその文脈が分かるように引用したい。その時のこの文章が、自分のありかということです。引用した文章には、手ごろな見出しをつけました。

私はいわゆる読書家ではない。本を読むのが楽しみだという人は沢山いるが、私はいつもそういう人たちをうらやましいと思っている。ではなぜ本を読むのか。自分でもよく分からないが、よりいっそう本当と思われる知恵に近づきたいと思っている。またよりいっそうこの世の真実に迫った理解をしたいと思っている。今はもう、あとで読もうとかまた読む機会があるだろうとか、そのようなことは考えない。これが最後と思って、今読んでいる本の中から、一章節でもいい言葉を捜そうと思っている。読んで何も共感する言葉が無いときは、大変残念な気がする。

「本を読んでもきりがない、多く学んでも疲れるだけだ」という言葉を思い出す。出典はどこだったか探してやっと見つけた。

Of making many books there is no end, and much study is a weariness of the flesh.(Ecclesiastes 12:12)
書物はいくら記してもきりがない。学びすぎれば体が疲れる。(コヘレトの言葉:旧伝導の書12:12)
これは信仰を前提にしているのである。好奇心がある限り、学べることは、いつから学んでも遅くはないと思っている。

このような訳で、「今月の言葉抄」というページを、サイトの一角に設けることにした。少なくとも毎月ひとつの言葉になら出会うこともあるだろう。このようなかたちで、自分を表現すること、毎月新しい言葉を載せられること、それはいわば私が生きている証です。

更新2006年6月21日